個人売買の最大のメリットは、売る側は高く売れて買う側は安く買えることです。車の売買には中間業者が多く入るため、そのメリットは他の商品より大きいかもしれません。
しかし、車の個人売買には、名義変更という一般的な商品にはない手続きが発生します。
また、金額も高額になるため、支払いに関するトラブルも多く、リスクを良く理解した上で本当に利用するべきか検討しなければなりません。
そこで本記事では、車の個人売買で良くあるトラブルや注意点などを解説します。

これから車の個人売買をしようかなと考えている方は参考にしてください。
車の個人売買で良くあるトラブル
車の個人売買はトラブルが非常に多いです。
特に車の個人売買で良くあるのが、
- 名義変更に関するトラブル
- 支払いに関するトラブル
- 故障に関するトラブル
- 傷や修復歴に関するトラブル
の4つでしょう。
これらのトラブルは、全く知らない他人との売買だけでなく、友人や知人といった信頼関係がある場合でも起こりうるので注意してください。
では、実際にどんなリスクがあるのか解説していきます。
名義変更に関するトラブル
車の個人売買は、商品とお金の受け渡しだけでなく、名義変更という手続きが必要です。
車の名義変更をするには、印鑑証明書や譲渡書、車庫証明書などの重要な書類がいくつも必要で、売る側、買う側ともに準備に時間がかかります。
車の名義変更手続きに慣れている人なんてほとんどいないでしょうから、いざ名義変更しようと思ったら書類に不備があったなんてことも多いでしょう。
また、名義変更の手続きは運輸支局(陸運局)が開いている平日しかできません。
その結果、名義変更の手続きが遅れてしまったり、相手任せにして手続きが行われないなどのトラブルが多く発生しています。
もし、名義変更が行われずにいた場合、車を売却したにも関わらず自動車税を払わなければなりません。
知人や友人の場合はそれほど多いトラブルではありませんが、全く知らない他人との個人売買では書類の引き渡しの確認や、名義変更の手続きをどのように行うかなどの確認が特に重要です。



購入する側と売却する側では必要な書類も変わってくるので、詳しくは下記の記事を参考にしてください。




支払いに関するトラブル
車の個人売買では、代金の支払いに関するトラブルも多いです。
車や書類の引き渡しと現金の受け渡しをその場で同時に行うのが理想ですが、遠方の場合や高額の取引になると難しくなります。
また、支払いに関するトラブルは友人や知人との個人売買でも起こります。信頼関係があるからといって分割払いにしたり、支払いを後回しにしたりするのは避けたほうが良いでしょう。
故障に関するトラブル
車の個人売買で最も多いのが売買成立後の故障に関するトラブルです。車というのは、様々な部品で構成されており、何の予兆もなく突然故障することがあります。
極端に言えば、昨日まで調子の良かった車でも、翌日に突然エンジンが止まってしまうこともあるのです。
『売る側が故障を隠していたのではないか?』といった疑念が生まれ、故障までの期間が早ければ早いほどクレームに繋がるでしょう。
実際、この手のクレームはプロの現場でも多く、そのための対策として保証サービスをつけたりしています。
個人売買の場合、『ノークレーム・ノーリターン』、『現状渡し』、『瑕疵担保責任を負わない』などと買いてあることも多いですが、それでも納得がいかなければ結局揉めることになるでしょう。
どちらが悪いわけでもないため、話は平行線上になり、後味の悪い取引となってしまいます。
また、納車後の故障トラブルがあるというリスクは取引相手が友人や知人の場合も同じです。
むしろ、友人や知人だからこそ深刻なトラブルに発展する場合もあります。
傷や修復歴に関するトラブル
車の個人売買では、傷や修復歴が後になって発覚したというトラブルも少なからずあります。
特にフリマサイトやオークションサイトなどを利用する場合は、写真のみで車の状態を判断することが多くトラブルになりやすいといえるでしょう。
修復歴の判別は素人では難しいため、購入した車を売却するときに初めて気付くことも少なくありません。
また、売り手が把握していない修復歴がある場合も考えられます。ワンオーナー車なら本人が把握しているはずですが、修復歴のある車を知らずに中古で購入していることもあるからです。
友人や知人との売買であれば、悪意のあるケースはまずないかもしれませんが、本人が知らないこともあるということは頭に入れておきましょう。
トラブルにあった場合はどこに相談すれば良い?
車の個人売買でおこる多くのトラブルは民事にあたるので、警察に相談してもまともに取り合ってくれない場合がほとんどです。
弁護士に相談するにも裁判を起こすには費用がかかるため、個人売買のトラブルでは被害者が泣き寝入りしてしまうケースも多いでしょう。
もし、個人売買の相手が友人や知人などで氏名や住所を特定できるのであれば、簡易裁判所の少額訴訟を利用する方法もあります。
弁護士に頼ることなく法的な手続きをとることができますし、費用も数千円程度で行うことが可能です。
とはいえ、ネットでの取引等では少額訴訟すら難しいケースもあります。
個人売買でのトラブルを防止するには?
個人売買でのトラブルを防止するには、傷や故障箇所などを事前に確認し、それを相手と共有することが大切です。
相手が遠方の場合は難しいかもしれませんが、できる限り現車の確認をしてもらいましょう。
代金の引き渡しはできる限り車や書類の引き渡しと同時に行うことで、入金されないなどのトラブルも回避できます。
さらに、個人売買であっても契約書を作成し、売買成立後の故障についての対応なども明記しておくことがトラブル防止には効果的です。
また、修復歴が心配な場合は、JAAI(日本自動車査定協会)に依頼すればプロの中古車査定士による査定が受けられます。
購入者の安心にも繋がるため、特にネットでの個人売買では利用を検討しても良いかもしれません。
一時抹消登録してから売却する
名義変更がしっかり行われるか不安という場合は、一時抹消登録を行ってから車を引き渡す方法もあります。
一時抹消登録をしていれば、購入者は必然的に名義変更や中古新規登録をしなければなりません。
万が一名義変更が行われずに放置されたとしても自動車税が課税されることはないため、個人売買でも安心して売却できるはずです。
ですから、車検の残り期間が多ければ多いほど損をしてしまうことになるでしょう。軽自動車の場合は自動車税の還付もないため注意が必要です。
また、購入者側は車検を取りなおす必要があり、単なる名義変更に比べて手間がかかるというデメリットもあります。
代行業者を利用する
名義変更のトラブルが心配であれば、手続きを代行業者に依頼する方法もあります。
代行費用がかかるため、個人売買のメリットは小さくなりますが、その分売る側も買う側も安心して取引ができるでしょう。
車の個人売買が多く行われているヤフオクでも名義変更や車の輸送を代行してくれる業者と提携してサービスを展開しているので、利用を検討してみると良いかもしれません。
また、最近では中古車業界大手のガリバーが運営するガリバーフリマなど、車の個人売買を行うことができるサイトやアプリも増えています。
これらのサービスは成約時に車両価格に応じた手数料がかかるというデメリットはありますが、入金や名義変更などを仲介してくれるので安心して利用できるはずです。
まだまだ利用者は少ないですが、購入時にローンが利用できるというメリットもあり、個人売買の新たな形として注目されています。
まとめ
車の個人売買では、名義変更や支払いのトラブル、故障や修復歴などのトラブルが多くあります。
安心して個人売買を行うために代行業者などを利用することもできますが、その分費用が余計にかかることになり、個人売買のメリットも小さくなるでしょう。
このような背景もあり、車の個人売買はまだまだ活発とはいえず、売りたい時になかなか売れないといった大きなデメリットも存在します。
車の乗り換え時は予定が立てにくいので、特に車の売却で個人売買を利用するのはおすすめできません。



現実的に考えると、車を高く売りたいなら一括査定などを利用して売る方が良いでしょう。


とはいえ、リスクやデメリットを承知で車の個人売買に挑戦したいという方もいるはずです。
友人や知人以外であれば、ヤフオクの利用を検討している方も多いと思うので、ヤフオクでの出品方法や注意点などを下記にまとめておきました。



ヤフオクで車を売ることに興味のある方は参考にしてみてください。

